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フロントエンド・エンジニアという肩書

その他2011年12月14日

最近、フロントエンド・エンジニアという肩書が一部の制作会社で使われるようになってきました。
実は私の名刺にも、以前は「Webデザイナー」だったのですが、1年~1年半ほど前から「フロントエンド・エンジニア」に変わっています。

本記事では、「フロントエンド・エンジニア」という肩書について少しお話しさせていただきたいと思います。

一般的に「Webデザイナー」と呼ばれる方々の業務内容は実に幅広く、サイトのビジュアルを「デザインすること」だけではなく、情報の構造を整理・ラべリングし、適切な個所に情報を配置する「情報アーキテクチャ」も担当することもあれば、当然コーディングも行います。デザインを行うには、少なからずCSS・HTMLの知識が必要になってきます。一口に「Webデザイナー」といっても、非常に多種多様なスキルが求められます。

しかし業界の成熟が進むにつれて、効率化のためにこれらの分野を細分化していく動きが進んでいます。この過程で「フロントエンド・エンジニア」という肩書が生まれました。
簡単に言えば、HTML・CSS・JavaScriptなどによる設計及び実装を行う人のことです。

これら全てを「Webデザイナー」が担当することもありますが、大規模案件の構築などでは分業してそれぞれの役割に専念して制作を行わないと、リソース的にも時間的にも厳しく、必然的に分業が求められます。デザインとコーディングは別の作業・別のスキルであることも確かであり、それぞれに名称をつけるようになってきたのはいい傾向です。

「フロントエンド・エンジニア」「マークアップ・エンジニア」「コーダー」とコーディング業務を行う制作者の呼び方は様々ですが、私見としては下記の様仕事内容としては分類されるのかなと思っています。

コーダー

CSSの知識はそれなりにあるがあまりCSSを触ることはない。Javascriptはできない人とできる人がいる。既にできあがっているページの保守を行うことが多い。構築案件などでは主にページの量産を担当する。

マークアップ・エンジニア

各種HTMLの仕様や知識は豊富。主にページの実装を担当し、スピードはかなり速い。Javascriptはできない人とできる人がいる。CSSの設計はあまりやらないが、やろうと思えばできる。

フロントエンド・エンジニア

主にWebサイトのCSS設計・HTML設計・Javascriptの実装を行う。Web標準やアクセシビリティに準拠したコーディングを行い、かつ保守性に優れた設計が求められる。サイトの設計指針をドキュメントにまとめることもあり、自身がページの量産を行うこともあるが、数人で量産を行う場合、それぞれが量産できるよう指示することもある。

一般的にはこれらの違いはわかりにくいかもしれません。ブラウザで閲覧しているだけはその違いは判らないからです。しかし、Web制作の現場からすればこれらの能力の違いは非常に重要であり、仕事を進めるうえでこれらの能力の違いは顕著です。

仮に、システムを組み込んだサイトを作成する場合、コーダーが組んだ「汚いHTML・汚いCSS」、フロントエンド・エンジニアが組んだ「綺麗なHTML・綺麗なCSS」ではその仕事の進めやすさ、リリース後の結果は大いに異なります。
前者の場合、システム開発の担当者は最終的に吐き出されるソースが「汚い」前提でシステム開発を進めることになります。これは非常にストレスの溜まることであり、また品質のよくないものがリリースされてしまうことがこの時点で決定してしまっているのです。
逆にフロントエンド・エンジニアがきちんと整理して設計されたCSS・HTMLであれば、システム開発は容易に進み、最終的なHTMLも非常にソースコードが整理された、保守性の高いものになります。

このように、HTML・CSSの設計スキルというのは非常に投資対効果の高いスキルであり、これに「フロントエンド・エンジニア」といった独自の名称を設けて「Webデザイナー」というアバウトな領域からそれを引き離し、際立たせたことには、コーディング業務に携わる者にとっては非常に意義のあるものだと思います。

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